実家に15才の犬がいて、コウといいます。10才の猫もいて糸といいます。コウは雄で糸は雌。2匹は兄妹のようです。でもどう見ても糸がおねえちゃんで、すぐにお菓子をくれ!っていうコウのほうが弟のように見えます。

この夏、ひまわりをどれだけ描いただろうと振り返る。どれだけ元気付けてくれただろうと思い出す。ありがとう。

私にとって線は、リアルな心の動きです。

発した言葉のように、消えてなくなるような、その一瞬の確かな事実です。

家から5分、通勤で駅に向かうまでにアトリエがある。朝の15分、アトリエに行って線を描く。それが平日の朝の、私の日課。

花屋へ行くと、目が合う花があって、そんなときは花の方から私を描いて、と言ってくれて、よろしくお願いしますと、私が言う。

80枚の花の絵を描きました。手紙を添えて1枚1枚封筒に入れて病院にもっていきます。もちろんいつもアポなしです。あやしいものではないことを伝える事に心をくだきます。そして「花の絵」を見せると、笑顔を見せてくれます。「よかった」とここで初めてほっとできます。もうやめようかと思う気持ちが、次もがんばるぞ!に変わります。そうやってほそぼそと続けてきました。そしてこの新型コロナウイルスが本当に落ち着くまで、描き続けたいと思います。

仕事からの帰り道、前かがみになりがちな自分にさよならだ。

なぜって、秋の空が歌いだした。

ある病院へ花の絵を持って行ったときです。「応援していただけるだけでうれしいです」と入り口まで来てくださった方が言われました。絵を持っていくときはいつも不安です。こんな大変なときに、迷惑でないだろうかと。その方の言葉はやさしく、勇気と力をもつものでした。よし、続けようと思いました。

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